原文
藤奈美能 花盛尓 如此許曽 浦己藝廻都追 年尓之努波米
作者
よみ
藤波(ふじなみ)の、花の盛りに、かくしこそ、浦(うら)漕(こ)ぎ廻(み)つつ、年に偲(おも)はめ
意味
藤の花の盛りのときに、このように浦(うら)を漕ぎめぐりながら、年毎にながめたのしみましょう。
花を詠んでいるようですが、大伴氏の官人たちのことを暗に指していると考えられています。
補足
天平勝宝2年(西暦750年)4月6日、大伴家持(おおとものやかもち)が布勢(ふせ)の水海(みずうみ)を遊覧したときに詠んだ歌です。
布勢(ふせ)の水海(みずうみ)は、現在の富山県氷見市の十二町潟(じゅうにちょうがた)にあたります。