原文

藤奈美乃 影成海之 底清美 之都久石乎毛 珠等曽吾見流

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

藤波(ふじなみ)の 影なす海(うみ)の 底(そこ)清み 沈(しづ)く石をも 玉とぞ我が見る

意味

水に映る藤の花 by 写真AC

藤波(ふじなみ)が影を映す海(うみ)の底が清らかなので、沈んでいる石もまるで玉のように私には見えます。

- rough meaning: The bottom of the sea, where the wisteria blooming like waves casts shadows, is so clean that the sinking stones look like gem balls to me.

補足

・天平勝宝2年(西暦750年)に詠まれた歌で、この歌の題詞には、「十二日、布勢(ふせ)の水海(みずうみ)に遊覧したとき、多胡の浦に船泊まりし藤の花を望み見て、各(おのおの)懐(おもい)を述べて作る歌四首」とあります。

更新日: 2021年04月11日(日)