第十九巻 : しなざかる越に五年住み住みて

2009年11月01日(日)更新


原文: 之奈謝可流 越尓五箇年 住々而 立別麻久 惜初夜可毛

作者: 大伴家持(おおとものやかもち)

しなざかる、越(こし)に五年(いつとせ)、住み住みて、立ち別れまく、惜(を)しき宵(よい)かも

意味: 都から遠く離れた越中(えっちゅう)に五年住み続けて、ここでお別れするのが残念な今宵です。

「しなざかる」は、越(こし)を導く枕詞(まくらことば)です。

越中国庁跡の碑(高岡市勝興寺) 撮影(2009.09.02) by きょう

天平勝宝3年(西暦751年)8月5日、少納言(しょうなごん)に任じられて都へもどることになった大伴家持(おおとものやかもち)が、介内蔵伊美吉縄麻呂(すけくらのいみきなわまろ)の館で送別の宴を催したときに詠んだ歌です。


第十九巻