第一巻 : 味酒三輪の山あをによし奈良の山の
2014年05月11日(日)更新 |
原文: 味酒 三輪乃山 青丹吉 奈良能山乃 山際 伊隠萬代 道隈 伊積流萬代尓 委曲毛 見管行武雄 數々毛 見放武八萬雄 情無 雲乃 隠障倍之也 作者: 額田王(ぬかたのおおきみ) よみ: 味酒(うまさけ)、三輪(みわ)の山、あをによし、奈良の山の、山の際(ま)に、い隠(かく)るまで、道の隈(くま)、い積(つ)もるまでに、つばらにも、見つつ行(ゆ)かむを、しばしばも、見(み)放(さ)けむ山を、心なく、雲の、隠(かく)さふべしや |
意味: 三輪山(みわやま)が奈良の山の端(はし)に隠れるまで、いくつもの道の曲がり角を過ぎるまで、たくさん見続けていたいのに。何度も見たい山なのに、雲が隠したりしていいものでしょうか。 天智(てんじ)6年(667)に都を明日香(あすか)の地から近江(おうみ)に移す時に詠んだ歌です。 「味酒(うまさけ)」は「みわ」と言ったことから三輪(みわ)を導く枕詞(まくらことば)となっています。 |