額田王(ぬかたのおおきみ) Nukata-no-Okimi
万葉集の代表的歌人の一人です。最初は大海人皇子(おおあまのみこ:天武天皇)に嫁ぎ、のちに中大兄皇子(なかのおおえのみこ:天智天皇)に仕えました。
万葉歌人としてはとても有名なのですが、生まれや身分などはよく分かっていないようです。額田王については、日本書記に「天皇(天武天皇のこと)、初め鏡王(かがみのおおきみ)の娘、額田王をめして、十市皇女(とをちのひめみこ)を生しませり。」とあるぐらいです。「薬師寺縁起(やくしじえんぎ)」にも同じようなことが書かれているようです。
藤原鎌足(ふじわらのかまたり)に嫁いだ鏡女王(かがみのおおきみ)の妹とも言われていますが、はっきりとはしていません。万葉集にだけ登場している、そういう謎めいた彼女だから、その歌がより魅力的に感じるのでしょうか。
- Nukata-no-okimi is the one of the representative poet of Manyoshu. At first she married an Oama-no-miko(Emperor Tenmu) and later served as Nakano-ooe-no-miko(Emperor Tenchi). She is so famous as a manyo poet, but her birth, status and so on are unknown.
額田王(ぬかたのおおきみ)が詠んだ歌 Poems written by Nukata-no-Okimi
0007: 秋の野のみ草刈り葺き宿れりし宇治の宮処の仮廬し思ほゆ
0008: 熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな
0009: 莫囂円隣之大相七兄爪謁気我が背子がい立たせりけむ厳橿が本
0016: 冬ごもり春さり来れば鳴かざりし鳥も來鳴きぬ.......(長歌)
0017: 味酒三輪の山あおによし奈良の山の山の際に.......(長歌)
0018: 三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
0020: あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
0112: いにしへに恋ふらむ鳥は霍公鳥けだしや鳴きし我が念へるごと
0113: み吉野の玉松が枝ははしきかも君が御言を持ちて通はく
0151: かからむとかねて知りせば大御船泊てし泊りに標結はましを
0155: やすみしし我ご大君の畏きや御陵仕ふる山科の.......(長歌)
0488: 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く
1606: 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く
補足 Note
- poem number 0488 and poem number 1606 are the same poem.