第七巻 : 行く川の過ぎにし人の手折らねば

2010年01月03日(日)更新


原文: 徃川之 過去人之 手不折者 裏觸立 三和之桧原者

作者:柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)歌集より

よみ: 行く川の、過ぎにし人の、手(た)折(を)らねば、うらぶれ立てり、三輪(みわ)の桧原(ひはら)

意味: 昔の人が手折ってくれないので、力なく立っています、三輪(みわ)の桧原(ひはら)は。

「行く川の」は「過ぐ」を導く枕詞です。

「過ぎにし人」とは、亡くなった人と考えても良いかもしれませんね。かんざしにするために手折ってくれた人が居なくなって、桧(ひのき)もさみしく立っているように見えるのでしょうね。

桧原にて 撮影(2002.10.9) by きょう

第七巻