原文

徃廻 雖見将飽八 名寸隅乃 船瀬之濱尓 四寸流思良名美

作者

笠金村(かさのかなむら)

よみ

行(ゆ)き廻(めぐ)り、見とも飽(あ)かめや、名寸隅(なきすみ)の、舟瀬(ふなせ)の浜に、しきる白波(しらなみ)

住吉神社 撮影(2011.12.04) by きょう

意味

行きめぐって見ても飽きることがありましょうか。名寸隅(なきすみ)の舟瀬(ふなせ)の浜に、絶え間なく寄せてくる白波(しらなみ)は。

補足

この歌の題詞には、「神亀三年(西暦726年)秋九月十五日、播磨國(はりまのくに)印南野(いなみの)に幸(いでま)す時に笠朝臣金村(かさのあそんかなむら)の作る歌一首、并(なら)びに短歌」とあります。ただし、続日本紀(しょくにほんぎ)には聖武天皇の播磨国印南野行幸は十月七日の出発となっていて、一ヶ月ほどずれています。

舟瀬(ふなせ)は、舟が風や波を避けるために泊まる場所をいいます。

更新日: 2012年1月1日(日)