原文
足曳之 玉イ之兒 如今日 何隈乎 見管来尓監 [三]
作者
不明
よみ
あしひきの 玉縵(たまかづら)の子 今日のごと いづれの隈(くま)を 見つつ来にけむ [三]
意味
玉縵(たまかづら)の子は、(私が)今日見てきたように、どの道の曲がり角を見ながらここ(耳無の池)にやってきたのでしょう。
・「玉縵(たまかづら)」は玉のように美しい「ひかげのかづら」のことです。「玉縵(たまかづら)の子」は、その玉縵(たまかづら)のように美しい子のことでしょう。(もしくは、その子は玉縵(たまかづら)を身に着けていたのかもしれませんね。)
- rough meaning: I wonder which corner of which road the maiden of Tamakazura looked until she came to here(the pond of Miminashi), as I followed today.
補足
昔々、三人の男たちが一人の娘を好きになり、求婚しましたが、その娘は、思い悩んだ末に池に身を投げたそうです。その三人の男たちが、嘆き悲しんで詠んだ歌(三首)の一つです。詳しくは恋の歌の縵児(かづらこ)を参照ください。