ひかげのかづら Hikage-no-Kazura(Lycopodium clavatum)
「日陰(ひかげ)の蔓(かづら)」はヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の多年生のつる性の常緑草です。古代から神事の際に襷(たすき)にしたり、髪飾りにしたりして用いられてきました。
- Hikage-no-Kazura is a perennial evergreen plant belonging to the genus Lycopodiaceae of the family Lycopodiaceae. Since ancient times, it has been used as a tasuki(used to tuck up the sleeves of a kimono) or a hair accessory during Shinto rituals.
ひかげのかづらを詠んだ歌 Poems
万葉集には、山縵(やまかづら)、玉縵(たまかづら)、単に「かづら」などと6首に詠まれています。歌にみられるように、ひかげのかづらは蔓(つる)のように伸びるので、飾りとして頭に巻いたりしたようです。
3229: 斎串立てみわ据ゑ奉る祝部がうずの玉かげ見ればともしも
3573: あしひきの山かづらかげましばにも得がたきかげを置きや枯らさむ
3789: あしひきの山縵の子今日行くと我れに告げせば帰り来ましを
3790: あしひきの玉縵の子今日のごといづれの隈を見つつ来にけむ
4120: 見まく欲り思ひしなへにかづらかけかぐはし君を相見つるかも
4278: あしひきの山下ひかげかづらける上にやさらに梅をしのはむ