狭野方波 實尓成西乎 今更 春雨零而 花将咲八方
不明
さのかたは、実になりにしを、今さらに、春雨(はるさめ)降りて、花咲かめやも
さのかたは、実になってしまたのに、いまさら春雨(はるさめ)が降って、花が咲くようなことがあるでしょうか。
「もう嫁いでしまったので、いまさらあなたのお誘いにはのれませんわ。」とお断りをしているのですね。
春の相聞(そうもん)のひとつで、さのかたは実にならずとも...への返歌のようです。