狭野方(さのかた)
万葉歌に詠まれている「狭野方(さのかた)」が何を示しているかは、はっきりしていないようですが、木通(あけび)だとの説があります。
木通(あけび)は、アケビ科アケビ属の落葉つる性の植物です。4~5月頃の山の中で、淡い紫色の花をつけているのを見ることができます。つるが丈夫なので、昔からかごを編むのに使われることもあったようです。
狭野方(さのかた)を詠んだ歌
春の相聞歌(そうもんか)二首と譬喩歌(ひゆか)一首に詠まれています。
1928: さのかたは実にならずとも花のみに咲きて見えこそ恋のなぐさに
1929: さのかたは実になりにしを今さらに春雨降りて花咲かめやも
3323: しなたつ筑摩さのかた息長の越智の小菅.......(長歌)