2006年02月26日(日)更新 |
屋戸(やど)は、家、住まいの意味ですが、万葉歌では次のような意味で詠まれているようです。
|
0126: 風流士と我れは聞けるをやど貸さず我れを帰せりおその風流士 0127: 風流士に我れはありけりやど貸さず帰しし我れぞ風流士にはある 0384: 我がやどに韓藍蒔き生ほし枯れぬれど懲りずてまたも蒔かむとぞ思ふ 0420: なゆ竹のとをよる御子さ丹つらふ我が大君は.......(長歌) 0488: 君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く 0594: 我がやどの夕蔭草の白露の消ぬがにもとな思ほゆるかも 0744: 夕さらば屋戸開け設けて我れ待たむ夢に相見に来むといふ人を 0759: いかならむ時にか妹を葎生の汚なきやどに入りいませてむ 0777: 我妹子がやどの籬を見に行かばけだし門より帰してむかも 0785: 我がやどの草の上白く置く露の身も惜しからず妹に逢はずあれば 0792: 春雨を待つとにしあらし我がやどの若木の梅もいまだふふめり 1011: 我が宿の梅咲きたりと告げ遣らば来と言ふに似たり散りぬともよし 1013: あらかじめ君来まさむと知らませば門に宿にも玉敷かましを 1040: ひさかたの雨は降りしけ思ふ子がやどに今夜は明かして行かむ 1041: 我がやどの君松の木に降る雪の行きには行かじ待にし待たむ 1471: 恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり 1480: 我が宿に月おし照れり霍公鳥心あれ今夜来鳴き響もせ 1483: 我が背子が宿の橘花をよみ鳴く霍公鳥見にぞ我が来し 1514: 秋萩は咲くべくあらし我がやどの浅茅が花の散りゆく見れば 1565: 我が宿の一群萩を思ふ子に見せずほとほと散らしつるかも 1572: 我が宿の尾花が上の白露を消たずて玉に貫くものにもが 1573: 秋の雨に濡れつつ居ればいやしけど我妹が宿し思ほゆるかも 1606: 君待つと我が恋ひをれば我が宿の簾動かし秋の風吹く 1616: 朝ごとに我が見る宿のなでしこの花にも君はありこせぬかも 1622: 我が宿の秋の萩咲く夕影に今も見てしか妹が姿を 1623: 我が宿にもみつ蝦手見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし 1743: 大橋の頭に家あらばま悲しく独り行く子に宿貸さましを 1755: 鴬の卵の中に霍公鳥独り生れて己が父に.......(長歌) 1941: 朝霧の八重山越えて呼子鳥鳴きや汝が来る宿もあらなくに 2027: 我がためと織女のそのやどに織る白栲は織りてけむかも 2130: 我が宿に鳴きし雁がね雲の上に今夜鳴くなり国へかも行く 2172: 我が宿の尾花押しなべ置く露に手触れ我妹子散らまくも見む 2207: 我がやどの浅茅色づく吉隠の夏身の上にしぐれ降るらし 2213: このころの暁露に我が宿の秋の萩原色づきにけり 2286: 我が宿に咲きし秋萩散り過ぎて実になるまでに君に逢はぬかも 2295: 我が宿の葛葉日に異に色づきぬ来まさぬ君は何心ぞも 2324: あしひきの山に白きは我が宿に昨日の夕降りし雪かも 2349: 我が宿に咲きたる梅を月夜よみ宵々見せむ君をこそ待て 2465: 我が背子に我が恋ひ居れば我が宿の草さへ思ひうらぶれにけり 2475: 我が宿の軒にしだ草生ひたれど恋忘れ草見れどいまだ生ひず 2527: 誰れぞこの我が宿来呼ぶたらちねの母に嘖はえ物思ふ我れを 2759: 我が宿の穂蓼古幹摘み生し実になるまでに君をし待たむ 2912: 人の見て言とがめせぬ夢に我れ今夜至らむ宿閉すなゆめ 3957: 天離る鄙治めにと大君の任けのまにまに.......(長歌) 4113: 大君の遠の朝廷と任きたまふ官のまにま.......(長歌) 4155: 矢形尾の真白の鷹を宿に据ゑ掻き撫で見つつ飼はくしよしも 4172: 霍公鳥来鳴き響めば草取らむ花橘を宿には植ゑずて 4185: うつせみは恋を繁みと春まけて思ひ繁けば.......(長歌) 4186: 山吹を宿に植ゑては見るごとに思ひはやまず恋こそまされ 4207: ここにしてそがひに見ゆる我が背子が.......(長歌) 4219: 我が宿の萩咲きにけり秋風の吹かむを待たばいと遠みかも 4224: 朝霧のたなびく田居に鳴く雁を留め得むかも我が宿の萩 4259: 十月時雨の常か我が背子が宿の黄葉散りぬべく見ゆ 4270: 葎延ふ賎しき宿も大君の座さむと知らば玉敷かましを 4289: 青柳の上枝攀ぢ取りかづらくは君が宿にし千年寿くとぞ |
| 万葉集ミニ時点 「や~よ」に戻る