原文 Original Text

式嶋之 山跡之土丹 人多 満而雖有 藤浪乃 思纒 若草乃 思就西 君目二 戀八将明 長此夜乎

作者 Author

不明

よみ Reading

藤 by 写真AC

磯城島(しきしま)の 大和(やまと)の国に 人さはに 満ちてあれども 藤波(ふぢなみ)の 思ひまつはり 若草(わかくさ)の 思ひつきにし 君が目に 恋ひや明かさむ 長きこの夜を

- Shikishima-no Yamato no kuni ni Hito saha ni Michite aredomo Fujinami no Omohi matsuhari Wakakusa no Omohi tsukinishi Kimi ga me ni Kohi ya akasamu Nagaki kono yo wo.

意味 Meaning

藤 by 写真AC

大和の国には人が多く満ちていますが、波のように揺れる藤(ふじ)の花のように私の想いが揺れ、若草のようなあなたに想いが離れません。あなただけに逢いたいと恋焦がれて、この長い夜を明かすことでしょうか。

・「磯城島(しきしま)の」は大和を導く枕詞(まくらことば)です。

逢いたい by ルリ子さま

- rough meaning: There are many people in the land of Yamato, but just like the wisteria flowers swaying in the wind, my heart sways for you who are as refreshing as young grass. Will I spend this long night longing to see you alone?.

補足 Notes

・「磯城島(しきしま)」は崇神天皇(すじんてんのう)、欽明天皇(きんめいてんのう)の宮があった大和国磯城(しき)郡(現在の奈良県桜井市)の地とされています。

更新日: 2024年04月21日(日)