第三巻 : 春日野に粟蒔けりせば鹿待ちに

2010年01月31日(日)更新


原文: 春日野尓 粟種有世伐 待鹿尓 継而行益乎 社師怨焉

作者: 佐伯赤麻呂(さへきのあかまろ)

よみ: 春日野(かすがの)に、粟(あは)蒔(ま)けりせば、鹿(しか)待ちに、継ぎて行(ゆ)かましを、社(やしろ)し恨(うら)めし

意味: 春日野(かすがの)に、粟(あは)が蒔(ま)いてあったら(あなたに逢えるのでしたら)、鹿を待ち伏せるように、毎日のように逢いにゆくのですけど。神の社(やしろ)があるので逢えなくてうらめしいことです。

撮影(2010.01.24) by きょう

この歌の題詞には、"娘子(をとめ)に贈った歌"と書かれていますけれど、"娘子(をとめ)"が誰かはわかりません。ちなみに、「神の社(やしろ)」は、どうやら、佐伯赤麻呂(さへきのあかまろ)の奥さまのことのように思われます。


第三巻