春日野(かすがの)

奈良の春日山(かすがやま)、御蓋山(みかさやま)のふもとに広がる野で、現在の奈良公園を含む地域です。鹿さんがたくさんいますよ。
春日野(かすがの)を詠んだ歌
万葉集では「春日の野」、「春日の小野」とも詠まれています。
0372: 春日を春日の山の高座の御笠の山に朝さらず.......(長歌)
0373: 高座の御笠の山に鳴く鳥の止めば継がるる恋もするかも
0404: ちはやぶる神の社しなかりせば春日の野辺に粟蒔かましを
0405: 春日野に粟蒔けりせば鹿待ちに継ぎて行かましを社し恨めし
0460: 栲づのの新羅の国ゆ人言をよしと聞かして.......(長歌)
0518: 春日野の山辺の道をよそりなく通ひし君が見えぬころかも
0698: 春日野に朝居る雲のしくしくに我れは恋ひ増す月に日に異に
0949: 梅柳過ぐらく惜しみ佐保の内に遊びしことを宮もとどろに
1363: 春日野に咲きたる萩は片枝はいまだふふめり言な絶えそね
1571: 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高円の山
1872: 見わたせば春日の野辺に霞立ち咲きにほへるは桜花かも
1879: 春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
1880: 春日野の浅茅が上に思ふどち遊ぶ今日の日忘らえめやも
1881: 春霞立つ春日野を行き返り我れは相見むいや年のはに
1890: 春山の友鴬の泣き別れ帰ります間も思ほせ我れを
1913: 見わたせば春日の野辺に立つ霞見まくの欲しき君が姿か
1974: 春日野の藤は散りにて何をかもみ狩の人の折りてかざさむ
2125: 春日野の萩し散りなば朝東風の風にたぐひてここに散り来ね
2169: 夕立ちの雨降るごとに春日野の尾花が上の白露思ほゆ
3001: 春日野に照れる夕日の外のみに君を相見て今ぞ悔しき
3042: 朝日さす春日の小野に置く露の消ぬべき我が身惜しけくもなし
3050: 春日野に浅茅標結ひ絶えめやと我が思ふ人はいや遠長に
3196: 春日野の浅茅が原に遅れ居て時ぞともなし我が恋ふらくは
3819: 夕立の雨うち降れば春日野の尾花が末の白露思ほゆ
4241: 春日野に斎く三諸の梅の花栄えてあり待て帰りくるまで