春日野(かすがの) Kasugano

春日野 撮影(2014.05) by きょう

奈良の春日山(かすがやま)御蓋山(みかさやま)のふもとに広がる野で、現在の奈良公園を含む地域です。飛火野(とびひの)とも呼ばれます。周辺を含めて1200頭数程度の鹿(しか)がいます。

- Kasugano is a plain at the foot of Kasuga-yama(Mt.Kasuga) and Mikasa-yama(Mt.Mikasa) in Nara, and includes the area where is now Nara Park. Kasugano is also called Tobihino. Currently, there are about 1,200 deer living in the area, including the surrounding area.

春日野(かすがの)を詠んだ歌 Poems on Kasugano

春日野 by 写真AC

万葉集では「春日の野」、「春日の小野」とも詠まれています。

0372: 春日を春日の山の高座の御笠の山に朝さらず.......(長歌)

0373: 高座の御笠の山に鳴く鳥の止めば継がるる恋もするかも

0404: ちはやぶる神の社しなかりせば春日の野辺に粟蒔かましを

0405: 春日野に粟蒔けりせば鹿待ちに継ぎて行かましを社し恨めし

0460: 栲づのの新羅の国ゆ人言をよしと聞かして.......(長歌)

0518: 春日野の山辺の道をよそりなく通ひし君が見えぬころかも

0698: 春日野に朝居る雲のしくしくに我れは恋ひ増す月に日に異に

0949: 梅柳過ぐらく惜しみ佐保の内に遊びしことを宮もとどろに

1363: 春日野に咲きたる萩は片枝はいまだふふめり言な絶えそね

1571: 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高円の山

1872: 見わたせば春日の野辺に霞立ち咲きにほへるは桜花かも

1879: 春日野に煙立つ見ゆ娘子らし春野のうはぎ摘みて煮らしも

1880: 春日野の浅茅が上に思ふどち遊ぶ今日の日忘らえめやも

1881: 春霞立つ春日野を行き返り我れは相見むいや年のはに

1890: 春山の友鴬の泣き別れ帰ります間も思ほせ我れを

1913: 見わたせば春日の野辺に立つ霞見まくの欲しき君が姿か

1974: 春日野の藤は散りにて何をかもみ狩の人の折りてかざさむ

2125: 春日野の萩し散りなば朝東風の風にたぐひてここに散り来ね

2169: 夕立ちの雨降るごとに春日野の尾花が上の白露思ほゆ

3001: 春日野に照れる夕日の外のみに君を相見て今ぞ悔しき

3042: 朝日さす春日の小野に置く露の消ぬべき我が身惜しけくもなし

3050: 春日野に浅茅標結ひ絶えめやと我が思ふ人はいや遠長に

3196: 春日野の浅茅が原に遅れ居て時ぞともなし我が恋ふらくは

3819: 夕立の雨うち降れば春日野の尾花が末の白露思ほゆ

4241: 春日野に斎く三諸の梅の花栄えてあり待て帰りくるまで

更新日: 2024年06月02日(日)