原文

吾妹子之 見師鞆浦之 天木香樹者 常世有跡 見之人曽奈吉

作者

大伴旅人(おおとものたびと)

よみ

我妹子(わぎもこ)が、見し鞆の浦(とものうら)の、むろの木は、常世にあれど、見し人ぞなき

鞆の浦 撮影(2011.04.21) by きょう

意味

妻が見たことのある鞆の浦(とものうら)むろの木は、いつまでも絶えることなくあるけれど、その妻はもういないのです。

補足

天平二年(西暦730年)十二月、大伴旅人(おおとものたびと)が大宰府から都に向かう途中に通った鞆の浦(とものうら)で、亡くなった奥様のことを想って詠んだ歌です。

更新日: 2011年05月15日(日)