第三巻 : 秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑし
2003年9月14日(日)更新 |
原文: 秋去者 見乍思跡 妹之殖之 屋前乃石竹 開家流香聞 作者: 大伴家持(おおとものやかもち) よみ: 秋さらば、見つつ偲(しの)へと、妹が植ゑし、やどのなでしこ、咲きにけるかも |
意味: 「秋になったなら、いっしょに見て楽しみましょうね。」と言って妻が植えた、家の撫子(なでしこ)が咲いている。 天平11年6月、このとき大伴家持は奥さんを亡くしています。奥さんが「いっしょに眺めましょうね。」と言っていた撫子が、家の敷石のかたわらに咲いているのを見つけて、また悲しみを新たにしているのでしょう。 |