原文
宇奈波良尓 霞多奈妣伎 多頭我祢乃 可奈之伎与比波 久尓弊之於毛保由
作者
よみ
海原(うなはら)に 霞(かすみ)たなびき 鶴(たづ)が音(ね)の 悲しき宵(よひ)は 国辺(くにへ)し思ほゆ
意味
海原(うなはら)に霞(かすみ)がたなびいて鶴(つる)の声が悲しく聞こえてくる宵(よい)は、故郷のことが思い出されます。
- rough meaning: The sea is misty tonight and the sad voice of a crane reminds me of my hometown.
補足
「天平勝寳(てんぴょうしょうほう)七歳(西暦755年)乙未(いつび)二月、相(あい)替(かわ)りて筑紫(つくし)に遣(つか)はさるる諸國の防人(さきもり)等(ら)の歌」と題された歌(4321番歌~4432番歌)の一つです。
この歌は、大伴家持(おおとものやかもち)が防人(さきもり)の気持ちを代弁して詠んだ歌です。