原文
安吉加是能 布伎古吉之家流 波奈能尓波 伎欲伎都久欲仁 美礼杼安賀奴香母
作者
よみ
秋風(あきかぜ)の 吹き扱(こ)き敷(し)ける 花(はな)の庭 清き月夜(つくよ)に 見れど飽(あ)かぬかも
意味
秋(あき)の風(かぜ)が吹き散らした花(はな)の庭は、清らかな月夜(つきよ)の元で見飽きることがありません。
・この花は、萩(はぎ)ではないかと考えられています。
- rough meaning: The flower garden, where the autumn wind blows and scatters the flowers, will never get tired of seeing under the clear moonlit nights.
補足
この歌を含む4452番歌の題詞には、「(天平勝宝7年)八月十三日に内(内裏)の南安殿(みなみのやすみどの)に在(いま)して肆宴(とよのあかり/しえん:儀式後などの宴会)したまう歌二首」とあります。
この歌の左注には、「右一首、兵部少輔(ひょうぶのしょうふ:兵部省の次官)従五位上大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち) [未(いま)だ奏(そう)せず]」とあります。