第二十巻 : 初春の初子の今日の玉箒
2009年10月18日(日)更新 |
原文: 始春乃 波都祢乃家布能 多麻婆波伎 手尓等流可良尓 由良久多麻能乎 作者: 大伴家持(おおとものやかもち) よみ: 初春(はつはる)の、初子(はつね)の今日(けふ)の、玉箒(たまばはき)、手に取るからに、揺らく玉の緒(を) |
意味: 初春(はつはる)の、初子(はつね)の今日、玉箒(たまばはき)を手に取ると、玉が揺れて音をたてます。 天平宝字2年(西暦758年)1月3日に、官人たちにより詠まれた歌のひとつです。この日は、初子(はつね: 正月の最初の子(ね)の日)にあたります。 |
玉箒(たまばはき)は繭(まゆだま)やガラス玉などの玉を飾りつけた箒(ほうき)です。天平宝字2年(西暦758年)1月3日に、孝謙天皇が玉箒(たまばはき)を賜り、宴を催されました。藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)が、天皇の勅(ちょく)を受けて、諸官人に「それぞれ思うように歌を作り、詩を付けるように。」と伝えました。 |