原文 Original Text
君之行 氣長久成奴 山多豆乃 迎乎将徃 待尓者不待
作者 Author
衣通王(そとほしのおほきみ)/軽太郎女(かるのおおいらつめ) Sotohoshi-no-Ohkimi/Karu-no-Ooiratsume
よみ Reading
君が行き 日(け)長くなりぬ 山たづの 迎(むか)へを行かむ 待つには待たじ
- Kimi ga yuki Ke nagaku narinu Yamatazu no Mukahe wo yukamu Matsu niha mataji.
意味 Meaning
あなたがいらっしゃってから、ずいぶんと日が過ぎてしまいました。山たづのように、あなたを迎えに行きましょう。待ってなんかいられません。
・「山たづ」は「迎(むか)へ」を導く枕詞(まくらことば)として使われています。
- rough meaning: It's been a long time since you left. I'll come pick you up cause I can't wait to meet you. ("Yamatazu" is used as Makurakotoba(pillow word) that leads to "Mukae(meet/welcome)".)
補足 Notes
・この歌の題詞に、「古事記によると、軽太子(かるのひつぎのみこ)が軽太郎女(かるのおおいらつめ)と関係を結んだので、太子は伊豫(いよ)の湯に流された。この時に、衣通王(そとほしのおほきみ:軽太郎女のこと)は恋しさに堪えかねてあとを追っていったが、その時に詠んだ歌である。」とあります。