原文
小竹之葉者 三山毛清尓 乱友 吾者妹思 別来礼婆
作者
よみ
小竹(ささ)の葉は み山もさやにさやげども われは妹(いも)思ふ 別れ来ぬれば
- Sasa no ha wa Miyama mo Saya ni Sayage domo Ware wa Imo omofu Wakare kinure ba.
意味
笹(ささ)の葉が風にそよいでざわざわと鳴っていても、私は妻のことを思ってやみません、別れて来てしまったので。
・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が石見(現在の島根県の西部)から、奥様と別れて都に行くときに詠んだ歌です。
- rough meaning: Even though the Sasa leaves rustle in the wind, I can't stop thinking about my wife I has left behind.
補足
この歌を含む0131番歌の題詞には、「柿本朝臣人麻呂(かきのもとのあそんひとまろ)石見國(いわみのくに)従(よ)り妻を別れて上り来る時歌二首[并(あわ)せて短歌]」とあります。