原文
吾屋前之 芽子乃下葉者 秋風毛 未吹者 如此曽毛美照
作者
大伴家持(おおとものやかもち)
よみ
我(わ)が宿(やど)の、萩(はぎ)の下葉(したば)は、秋風(あきかぜ)も、いまだ吹かねば、かくぞもみてる
意味
私の家の庭の萩(はぎ)の下葉は、秋風も吹かないうちに、こんなに色づきました。
補足
この歌の題詞には、「大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)が時期はずれの藤(ふじ)の花と萩(はぎ)の黄葉(もみじ)二つの物を坂上大嬢(さかのうえのだいじょう)に贈った歌二首」とあります。
この歌の左注には「右の二首、天平12年(西暦740年)6月に贈答した。」とあります。