和我由恵仁 妹奈氣久良之 風早能 宇良能於伎敝尓 奇里多奈妣家利
遣新羅使(けんしらぎし)
我がゆゑに、妹(いも)嘆くらし、風早の、浦の沖辺に、霧たなびけり
私のことを思って、妻が嘆いているようです。風早の浦の沖辺に霧がたなびいています。
天平八(西暦736)年、遣新羅使(けんしらぎし)が鞆の浦、長井の浦を経て風早の浦で船泊した夜に詠んだ歌、二首のうちのひとつです。