梧桐(あをぎり) Awogiri(Chinese parasol tree)

青桐 by 写真AC

梧桐(あをぎり)はアオイ科の落葉高木です。葉が桐(きり)に似ていて樹皮が緑色なので、青桐(あをぎり)といわれます。「梧桐」は、中国名です。中国原産で亜熱帯地域に自生しますが、日本でも街路樹として植えられています。

- The Awogiri is a deciduous tree belonging to the Malvaceae family. Its leaves resemble those of the paulownia tree, and its bark is green, hence the name Aogiri (blue paulownia). It is native to China and grows naturally in subtropical regions, but it is also planted as a street tree in Japan.

梧桐(あをぎり)を詠んだ歌 Poem related to Awogiri

青桐 by 写真AC

第5巻に、次のような手紙といっしょに以下の3首が詠まれています。

大伴淡等謹状
梧桐日本琴一面[對馬結石山孫枝]
此琴夢化娘子曰
余託根遥嶋之崇巒 晞■九陽之休光
長帶烟霞逍遥山川之阿 遠望風波出入鴈木之間
唯恐 百年之後空朽溝壑
偶遭良匠散為小琴
不顧質麁音少
恒希君子左琴
即歌曰

大伴旅人(おおとものたびと)謹んで申し上げます。
梧桐(ごとう:あをぎり)の日本琴(やまとごと)一面[對馬の結石山の孫枝]
この琴が夢に娘となって出てまいりまして言うことには、
「私ははるかな島の高い山に根を張り、幹を空の光にさらしていました。
長い間、靄(もや)や霞(かすみ)に覆われていました。
風や波をながめながら、伐られるでもなくおりました。
100年後むなしく朽ちてしまうと恐れていたところ、
偶然にも良い匠(たくみ)に出会い、小さな琴になりました。
音が悪く音も小さいけれど、ずっとあなたさまのお側に
置いていただけることを希望していました。」ということなのです。
そしてこの歌を詠んでくれたのです。

0810: いかにあらむ日の時にかも声知らむ人の膝の上我が枕かむ

僕報詩詠曰

私が、その歌に答えて詠んだ歌です。

0811: 言とはぬ木にはありともうるはしき君が手馴れの琴にしあるべし

琴娘子答曰
敬奉徳音 幸甚々々
片事覺 即感於夢言慨然不得止黙
故附公使聊以進御耳 [謹状不具]
天平元年十月七日附使進上
謹通 中衛高明閤下 謹空

その琴の娘が答えて言うには、
「謹んでありがたいお言葉をいただきありがとうございます。」と。
すぐに目が覚めて、夢に感じ入り、黙っていられず、
公用の使いに頼んでこの琴をお送りいたしました。[謹んで申し上げます]
天平元年十月七日附、使いをもって進上いたします。
謹んで、中衛高明閤下(ちゅうえいこうめいかっか)に。

跪承芳音 嘉懽交深
乃知 龍門之恩復厚蓬身之上
戀望殊念常心百倍
謹和白雲之什以奏野鄙之歌
房前謹状

謹んでお手紙をいただき、深く感激しております。
私ごときにすばらしい琴を贈っていただいたご恩、痛み入ります。
百倍もお目にかかりたい気持ちです。
白雲のかなた(筑紫のこと)から贈っていただいた歌に答えて詠んでみます。
房前(ふささき: 藤原房前)、謹んで。

0812: 言とはぬ木にもありとも我が背子が手馴れの御琴地に置かめやも

更新日: 2019年04月14日(日)