蔦(つた)/綱(つな)
キョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木である定家葛(ていかかずら)のことです。6月頃に5弁の白い花を咲かせ、次第に淡黄色になります。
平安時代の末期、式子内親王(しょくしないしんのう)を愛した藤原定家(ふじわらのていか:歌人として有名)が、死後に葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたというお話から、この名がついたとされています。
蔦(つた)/綱(つな)を詠んだ歌
万葉集に「蔦(つた)/綱(つな)」を詠んだ歌は6首あります。
0135: つのさはふ石見の海の言さへく唐の崎なる.......(長歌)
1046: 岩綱のまた変若ちかへりあをによし奈良の都をまたも見むかも
1804: 父母が成しのまにまに箸向ふ弟の命は.......(長歌)
3291: み吉野の真木立つ山に青く生ふる山菅の根の.......(長歌)
3991: もののふの八十伴の男の思ふどち心遣らむと.......(長歌)
4220: 海神の神の命のみ櫛笥に貯ひ置きて斎くとふ.......(長歌)