原文
黒玉 夜霧立 衣手 高屋於 霏■(「雨」の下に「微」)麻天尓
作者
舎人皇子(とねりのみこ)
よみ

ぬばたまの、夜霧(よぎり)は立ちぬ、衣手(ころもで)の、高屋(たかや)の上に、たなびくまでに
意味
夜霧が立ちこめています。高家の上に棚引くまでに。
「ぬばたまの」は夜を、「衣手(ころもで)」は高屋(たかや)を導く枕詞(まくらことば)です。
「高屋(たかや)」は、現在の奈良県桜井市の高家(たいえ)との説があります。
補足
この歌の題詞には「舎人皇子(とねりのみこ)の御歌(みうた)一首」とあります。舎人皇子(とねりのみこ)は、天武天皇の皇子です。