原文
神南備 神依板尓 為杉乃 念母不過 戀之茂尓
作者
柿本人麻呂歌集より
よみ
神なびの、神寄せ板に、する杉(すぎ)の、思ひも過ぎず、恋(こひ)の繁(しげ)きに
意味
神南備(かんなび)の、神寄せ板にする杉(すぎ)のように、過ぎてはいかない私の心。(神々しいあなたさまへの)恋する気持ちが激しくて。
・弓削皇子(ゆげのみこ)に献じられた歌です。「神寄せ板」は、神が降りてくるための板のことです。
・「神南備(かんなび)」は、三輪山(みわやま)、もしくは飛鳥(あすか)の神奈備(かんなび)と考えられています。