原文

燕来 時尓成奴等 鴈之鳴者 本郷思都追 雲隠喧

作者

大伴宿禰家持(おおとものすくねやかもち)

よみ

つばめ来る時になりぬと、かりがねは本郷(くに)思ひつつ、雲隠(くもがく)り鳴く

意味

燕 by 写真AC

つばめがやってくる季節になったと、雁(かり)が故郷を思って、雲(くも)に隠れて鳴いています。

- rough meaning: "It's the season when the swallows come.", the wild geese are honking through the clouds since they're missing their home.

・つばめは雁(かり)と入れ替わりに、常世(とこよ→あの世のこと)からやってくると信じられていたそうです。「雲隠(くもがく)る」ということは、亡くなってあの世に行くということをイメージさせる言葉です。

補足

この歌の題詞には、「歸鴈(きがん:春に北に帰る)を見る歌二首」とあります。

更新日: 2019年08月12日(月)