原文
燕来 時尓成奴等 鴈之鳴者 本郷思都追 雲隠喧
作者
よみ
つばめ来る時になりぬと、かりがねは本郷(くに)思ひつつ、雲隠(くもがく)り鳴く
意味
つばめがやってくる季節になったと、雁(かり)が故郷を思って、雲(くも)に隠れて鳴いています。
- rough meaning: "It's the season when the swallows come.", the wild geese are honking through the clouds since they're missing their home.
・つばめは雁(かり)と入れ替わりに、常世(とこよ→あの世のこと)からやってくると信じられていたそうです。「雲隠(くもがく)る」ということは、亡くなってあの世に行くということをイメージさせる言葉です。
補足
この歌の題詞には、「歸鴈(きがん:春に北に帰る雁)を見る歌二首」とあります。