第十九巻 : あをによし奈良人見むと我が背子が

2006年11月19日(日)更新


原文: 安乎尓与之 奈良比等美牟登 和我世故我 之米家牟毛美知 都知尓於知米也毛

作者: 大伴家持(おおとものやかもち)

よみ: あをによし、奈良人(ならひと)見むと、我(わ)が背子(せこ)が、標(しめ)けむ黄葉(もみち)、地(つち)に落(お)ちめやも

奈良のその方に見せようと、あなたが印をつけた黄葉(もみじ)は散ったりしないでしょう。

天平勝宝2年(西暦750)9月3日にもよおされた宴(うたげ)にて詠んだ歌ですが、久米広縄(くめのひろつな)が詠んだ
このしぐれいたくな降りそ我妹子に見せむがために黄葉取りてむ
の歌に対して詠んだものと思われます。

東大寺の紅葉 撮影 by きょう

「奈良人(ならひと)」は、久米広縄(くめのひろつな)が奈良に残した奥様のことのようです。


第十九巻