原文
真草苅 荒野者雖有 葉 過去君之 形見跡曽来師
作者
よみ
ま草(くさ)刈(か)る 荒野(あれの)にはあれど 黄葉(もみちば)の 過ぎにし君が 形見(かたみ)とぞ来(こ)し
意味
草を刈るしかないような荒野ではありますが、黄葉(もみちば)が散るようにお亡くなりになった君(草壁皇子:くさかべのみこ)の形見の地としてやってきました。
・歌に詠まれている地は現在の奈良県宇陀市大宇陀区の丘とされている「安騎(あき)の野」です。
- rough meaning: Although this is a wilderness where there is no choice but to mow the grass, I have come as a place of memento on you(Kusakabe-no-Miko) passed away like as yellow leaves scattered.
補足
この歌は題詞に「軽皇子(かるのみこ)、安騎(あき)の野に宿る時、柿本朝臣人麻呂(かきのもとのあそんひとまろ)の作る歌」とある0045番歌(長歌)に付された短歌のひとつです。