原文

須麻比等乃 海邊都祢佐良受 夜久之保能 可良吉戀乎母 安礼波須流香物

作者

平群女郎(へぐりのいらつめ)

よみ

須磨人(すまひと)の、海辺(うみへ)常(つね)去らず、焼く塩の、辛(から)き恋(こひ)をも、我れはするかも

意味

須磨の海 撮影(2016.05) by きょう

須磨人(すまひと)が、いつも海辺にいて焼く塩のように、辛い(つらい)恋(こい)でさえ、私はするのです。

・須磨人(すまひと)は、須磨の海岸に住む海人(あま)のことです。

・「焼く塩の」で、「辛(から)き」を導いています。

- rough meaning: I do even paiful love, like the salt that Sumahito(people who live in Suma) always roast on the seaside.

補足

この歌を含むの3931番歌の題詞には、「平群氏女郎(へぐしのいらつめ)か゜越中守(こしのみちのなかのかみ)大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)に贈る歌十二首。」とあります。

この歌を含むの3942番歌の左注には、「右の件(くだり)の十二首の歌は、時々、便使(べんし:便りの使者)に寄せて贈って来た。(十二首を)一度に送る所にあらず。」とあります。

更新日: 2020年01月31日(金)