原文

橘乎 屋前尓殖生 立而居而 後雖悔 驗将有八方

作者

大伴駿河麻呂(おおとものするがまろ)

よみ

春霞(はるかすみ) 春日(かすが)の里の 植(う)ゑ子水葱(こなぎ) 苗(なへ)なりと言ひし 枝(え)はさしにけむ

意味

コナギ by 写真AC

春霞(はるかすみ)のかかる頃に春日の里に植えた子水葱(こなぎ)は、まだ苗だと言ってましたが、今はもう枝は成長して伸びたでしょうね。

・大伴駿河麻呂(おおとものするがまろ)が同じ大伴家の坂上二嬢(さかのうえのおとおとめ)に求婚したときの歌です。坂上二嬢は大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の娘さんです。

- rough meaning: "Konagi" that were planted in Kasuga no Sato around the time of spring haze were still seedlings at that time. But now I'm sure that their branches have grown up, aren't they?(This is a poem when Otomo-no-Surugamaro proposed to Sakanoue-no-Nijo of the same Otomo family.)

補足

・この歌の題詞に「大伴宿祢駿河麻呂(おおとものすくねするがまろ)、同じ坂上家の二嬢(にじょう/おとおとめ)に娉(つまど)ふ歌一首」とあります。

更新日: 2022年02月20日(日)