原文

妹之見師 屋前尓花咲 時者經去 吾泣涙 未干尓

作者

大伴家持(おおとものやかもち)

よみ

妹(いも)が見し、やどに花(はな)咲き、時は経(へ)ぬ、我が泣く涙、いまだ干(ひ)なくに

なでしこ 撮影(2007) by きょう

意味

妻が見た、庭に花(はな)が咲いて、時が過ぎ去ってしまいました。(でも)私の涙は、まだ乾くことはありません。

補足

大伴家持(おおとものやかもち)の奥様が亡くなり、時がたっても悲しみは消えないようです。

この歌に似た歌に、山上憶良(やまのうえのおくら)の歌、「0798: 妹が見し楝(あふち)の花は散りぬべし我が泣く涙いまだ干なくに」があります。なお、山上憶良(やまのうえのおくら)の歌の方が古い歌です。

更新日: 2011年03月27日(日)