原文
宇麻夜奈流 奈波多都古麻乃 於久流我弁 伊毛我伊比之乎 於岐弖可奈之毛
作者
不明
よみ
馬屋(うまや)なる、縄(なは)立つ駒(こま)の、後(おく)るがへ、妹(いも)が言ひしを、置きて悲しも
意味
馬屋(うまや)の縄を振り切って出てゆく駒(こま)に置いて行かれるようになるものですか、と言っていた妻を置いてきてしまって悲しいことです。
補足
この歌を含む4425番歌~4432番歌の左注には、「右八首、昔年(さきつとし:昔)の防人の歌です。主典刑部少録(さかんぎょうぶのしょうろく)正七位の上磐余伊美吉諸君(いわれのいみきもろきみ)が抄寫(しょうしゃ:一部を書き写す)して、兵部少輔(ひょうぶしょうしょう)大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)に贈りました。」、とあります。