原文
安可祢左須 比流波多々婢弖 奴婆多麻乃 欲流乃伊刀末仁 都賣流芹子許礼
作者
葛城王(かつらぎのおほきみ)-- 後の橘諸兄(たちばなのもろえ)
よみ
あかねさす 昼は田賜(た)びて ぬばたまの 夜のいとまに 摘める芹(せり)これ
意味
昼は班田の仕事をしていたので、夜の間に暇をみつけて摘み取った芹(せり)ですよ。これは。
・「田賜(た)びて」は、天皇の命をうけて農民に田を授けていることを言っています。
- rough meaning: I was so busy working with the rice field allotment during the day. This is the Seri(Japanese parsley) which I picked for you in the free time during the night.
- He(writer of this poem) was working with allotting the rice fields to people based in the Ritsuryo system(political sytem in Nara era).
補足
・この歌の題詞には、「天平元年(西暦729年)班田(はんでん:班田収授法により田を分かち与えること)の時、使いの葛城王(かつらぎのおおきみ)山背國(やましろのくに)より薩妙觀命婦(さつのみょうかんみょうぶ)等の所に贈る歌一首[芹子(せり)の褁(つと:包み)に副(そ)う]」とあります。