茜(あかね)さす Akane-sasu

朝日 by 写真AC

日(ヒ)・昼(ヒル)・照れるなどにかかります。私たちの感覚では、茜と言うと秋茜(とんぼですね)、茜色の夕焼けを思い浮かべますね。どちらかと言うと「秋の夕暮れ」という感じでしょうか。でも、万葉の人々は、朝日のような太陽の輝く色を連想したのではないでしょうか。「さす」というのは、色や光が映えるという意味です。

茜色は最も古い染料のうちの一つです。茜草(あかねそう)と言うかわいい白い花を咲かせる草の根から取れる色です。

茜 by 写真AC

- "Akane-sasu" guides the word Hiru(day), Hi(sun), Teru(shine) and so on. When we hear the word "Akane", our modern senses think of a madder red sunset. On the other hand, the people of Manyo probably associated "Akane" with the bright color of the sun, like the morning sun. “Sasu” in "Akane-sasu" means that the color or light shines through. Color "Akane(Madder color)" is one of the oldest dyes and is obtained from the roots of the grass that blooms with cute white flowers called Akaneso.

「茜(あかね)さす」を詠んだ歌 Poems including Akane-sasu

0020: 茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

0169: 茜さす日は照らせれどぬばたまの夜渡る月の隠らく惜しも

0199: かけまくもゆゆしきかも言はまくもあやに畏き明日香の真神の原にひさかたの.......(長歌)

0565: 大伴の見つとは言はじあかねさし照れる月夜に直に逢へりとも

0916: あかねさす日並べなくに我が恋は吉野の川の霧に立ちつつ

2353: 泊瀬の斎槻が下に我が隠せる妻あかねさし照れる月夜に人見てむかも

2901: あかねさす日の暮れゆけばすべをなみ千たび嘆きて恋ひつつぞ居る

2370: さし焼かむ小屋の醜屋にかき棄てむ破れ薦を敷きて打ち折らむ醜の醜手を.......(長歌)

3297: 玉たすき懸けぬ時なく我が思ふ妹にし逢はねばあかねさす昼はしみらに.......(長歌)

3324: かけまくもあやに畏し藤原の都しみみに人はしも満ちてあれども君はしも.......(長歌)

3732: あかねさす昼は物思ひぬばたまの夜はすがらに音のみし泣かゆ

3857: 飯食めどうまくもあらず行き行けど安くもあらずあかねさす君が心し忘れかねつも

4166: 時ごとにいやめづらしく八千種に草木花咲き.......(長歌)

4455: あかねさす昼は田賜びてぬばたまの夜のいとまに摘める芹これ

補足

更新日: 2023年10月22日(日)