原文 Original Text

茜刺 日者雖照者 烏玉之 夜渡月之 隠良久惜毛

作者 Author

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ) Kakinomoto-no-Hiromaro

よみ Reading

日差し by 写真AC

あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜(よ)渡る月(つき)の 隠(かく)らく惜しも

- Akane-sasu Hi ha teraseredo Nubatama-no Yo wataru tsuki no Kakuraku woshimo.

意味 Meaning

月 撮影(2015.09) by きょう

日は照らしているけれど、(草壁皇子が)夜空を渡る月(つき)のようにお隠れになったことが惜しいことです。

あかねさすは日などを導く、ぬばたまのは夜などを導く枕詞(まくらことば)です。

- rough meaning: Although the sun is shining, I'm so sad that Prince Kusakabe has passed away like as the moon is hidden by the cloud in the night sky.

補足 Notes

この歌を含む0167番歌の題詞には、「日並皇子尊(ひなみしのみこのみこと:草壁皇子のこと)の殯宮(あらきのみや)の時柿本朝臣人麻呂が作る歌一首[ならびに短歌] 反歌二首」とあります。この歌は、その反歌二首のうちのひとつです。

この歌の左注には、「或る本には、この歌を後皇子尊(のちのみこのみこと:高市皇子のこと)が殯宮(あらきのみや)の時の反歌としている」とあります。

更新日: 2023年10月22日(日)