原文
居明而 君乎者将待 奴婆珠能 吾黒髪尓 霜者零騰文
作者
磐姫皇后(いわのひめのおおきさき)
よみ
居(ゐ)明(あ)かして、君(きみ)をば待(ま)たむ、ぬばたまの、我(わ)が黒髪(くろかみ)に、霜(しも)は降(ふ)るとも
意味
朝まで寝ないであなたを待ちましょう。私の黒髪に霜(しも)が降ろうとも。
- rough meaning: I'll wait for you without sleeping until morning. Even if frost falls on my dark hair.
・ぬばたまのは、黒、黒髪などを導く枕詞(まくらことば)です。
補足
・仁徳天皇(にんとくてんのう)を思って詠んだ歌のひとつとされています。この歌の前に、「磐姫皇后(いわのひめのおおきさき)が仁徳天皇(にんとくてんのう)を思って作られた歌」として4首の歌があり、この歌の題詞には「或本歌曰(ある本の歌にいわく)」と書かれています。