原文

大船之 津守之占尓 将告登波 益為尓知而 我二人宿之

作者

大津皇子(おおつのみこ)

よみ

大船(おほぶね)の 津守(つもり)が占(うら)に 告(の)らむとは まさしに知りて 我がふたり寝し

意味

しずく by 写真AC

津守(つもり)なんかの占いに出るだろうとは知ってて、二人で寝たのです。

・この歌の題詞によると、石川女郎(いしかわのいらつめ)とひそかに関係を結んだときに、そのことを津守連通(つもりのむらじとおる)が占いで示したので、大津皇子(おおつのみこ)が詠んだ歌とのことです。

・「(大船(おほぶね)の」は、「津守(つもり)」の「津(つ: 港のこと)」を導く枕詞(まくらことば)です。

- rough meaning: I slept with her, knowing that Tsumori(port guardian) bastard would expose as a fortune-telling our relationship.

補足

この歌の題詞に「大津皇子(おおつのみこ)、竊(ひそ)かに石川女郎(いしかわのいらつめ)に婚(あ)ふ時に津守連通(つもりのむらじとおる)、其事(そのこと)を占(うら)へ露(あらは)すに、皇子の御作りになった歌一首 [未だ詳(つまび)らかならず]」とあります。

更新日: 2021年12月12日(日)