石川娘女(いしかわのいらつめ) Ishikawa-no-Iratsume
万葉集に載っている石川娘女(いしかわのいらつめ)は、最大7人います。そのうちのいずれが同一人物かわかっていません。(最近の説では3人ではないかと考えられています。)
- There are up to seven "Ishikawa-no-Iratsume" listed in the Manyoshu. It is not known whether any of them are the same person. (The latest theory is that there may have been three "Ishikawa-no-Iratsume".)
石川娘女-A
久米禅師(くめのぜんじ)と歌をやり取りしています。
0097: み薦刈る信濃の真弓引かずして強ひさるわざを知ると言はなくに
0098: 梓弓引かばまにまに寄らめども後の心を知りかてぬかも
石川娘女-B
大津皇子(おおつのみこ)が石川娘女-Bに贈った歌に対する返歌を詠んでいます。
0108: 我を待つと君が濡れけむあしひきの山のしづくにならましものを
石川娘女-C
山田郎女(やまだのいらつめ)ともいいます。大津皇子(おおつのみこ)の宮の侍女とされています。「石川娘女-B」と同一人物との考えがあります。次の歌は、大伴宿奈麿(おおとものすくなまろ)に贈った歌です。
0129: 古りにし嫗にしてやかくばかり恋に沈まむ手童のごと
石川娘女-D 大名児(おおなこ) Ohnako
大名児(おおなこ)ともいいます。「石川娘女-C」と同一人物との説があります。草壁皇子(くさかべのみこ)が彼女に贈った歌があります。大名児(おおなこ)が返答した歌は載っていません。
0110: 大名児を彼方野辺に刈る草の束の間も我れ忘れめや
石川娘女-E
石川娘女(いしかわのいらつめ)-Bと同一人物との考えがあります。次の2首は、「石川娘女(いしかわのいらつめ)-E」が大伴田主(おおとものたぬし)に贈った歌です。
0126: 風流士と我れは聞けるをやど貸さず我れを帰せりおその風流士
0128: 我が聞きし耳によく似る葦の末の足ひく我が背つとめ給ぶべし
石川娘女-F
大伴安麿(おおとものやすまろ)の奥さんで、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)のお母さんです。
0518: 春日野の山辺の道をよそりなく通ひし君が見えぬころかも
0128: 4439: 松が枝の土に着くまで降る雪を見ずてや妹が隠り居るらむ
石川娘女-G
藤原宿奈麿(ふじわらのすくなまろ)の奥さんということしかわかっていません。
4491: 大き海の水底深く思ひつつ裳引き平しし菅原の里