原文 Original Text

妻毛有者 採而多宜麻之 作美乃山 野上乃宇波疑 過去計良受也

作者 Author

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

よみ Reading

妻もあらば 摘みて食(た)げまし 沙弥(さみ)の山 野の上(へ)のうはぎ 過ぎにけらずや

- Tsuma mo araba Tsumite tagemashi Sami no yama Nonohe no Uhagi Sugini kerazu ya.

意味 Meaning

ヨメナ by 写真AC

もし妻といっしょだったらうはぎを摘んで食べただろうに。沙弥(さみ)の野にうはぎが空しく伸びてしまっています。

- rough meaning: If he had been with his wife, he would have picked and ate Uhagi. Uhagi has been grown in vain in the field of Sami. (This is a poem that Kakimoto-no-Hitomaro wrote when he saw a dead person lying on Samijima Island(now in Kagawa Prefecture).)

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が、沙弥島(さみじま:香川県)に倒れ死んでいる人を見て詠んだ歌だとのことです。このころは、うはぎの若芽を食べたようですね。

補足 Note

この歌は題詞に「讃岐(さぬき)の狭岑嶋(さみねのしま)にして石の中の死人を視て柿本朝臣人麻呂が作る歌一首(并せて短歌)」とある0220番歌(長歌)に付された短歌のひとつです。

更新日: 2014年10月26日(日)