原文

奥波 来依荒礒乎 色妙乃 枕等巻而 奈世流君香聞

作者

柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

よみ

沖つ波 来(き)寄る荒礒(ありそ)を 敷栲(しきたへ)の 枕(まくら)とまきて 寝(な)せる君かも

意味

荒磯 by 写真AC

沖の波が打ち寄せる荒磯(あらいそ)を枕にして眠っていらっしゃる君よ。

・「敷栲(しきたへ)の」は「枕」などを導く枕詞(まくらことば)です。

柿本朝臣人麻呂狭岑嶋(さみねのしま)で、岩の中で亡くなっている人を見て詠んだ歌です。

- rough meaning: You are sleeping(resting in peace) on the rocky coast where the waves from offshore are coming, aren't you.(This poem is written by Kakinomoto-no-Hitomaro when he saw a person who was dead on a rock on Saminenoshima,current Shamijima in Kagawa Pref.)

補足

この歌は題詞に「讃岐(さぬき)の狭岑嶋(さみねのしま)にして石の中の死人を視て柿本朝臣人麻呂が作る歌一首(并せて短歌)」とある0220番歌(長歌)に付された短歌のひとつです。

更新日: 2021年10月24日(日)