宇治川(うじがわ)
琵琶湖から流れ出る瀬田川は、大津市南郷で宇治川と呼ばれ、木津川、桂川と合流し、淀川へ流れ込んでいます。
万葉の頃には、現在の京都府の南にあった巨椋池(おぐらいけ)に流れ込んでいたとのことです。なお、巨椋池は干拓によって消滅してしまいました。
宇治川(うじがわ)を詠んだ歌
0050: やすみしし我が大君高照らす日の皇子......(長歌)
0264: もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波のゆくへ知らずも
1135: 宇治川は淀瀬なからし網代人舟呼ばふ声をちこち聞こゆ
1136: 宇治川に生ふる菅藻を川早み採らず来にけりつとにせましを
1138: 宇治川を舟渡せをと呼ばへども聞こえざるらし楫の音もせず
1139: ちはや人宇治川波を清みかも旅行く人の立ちかてにする
2427: 宇治川の瀬々のしき波しくしくに妹は心に乗りにけるかも
2429: はしきやし逢はぬ子ゆゑにいたづらに宇治川の瀬に裳裾濡らしつ
2430: 宇治川の水泡さかまき行く水の事かへらずぞ思ひ染めてし
2714: もののふの八十宇治川の早き瀬に立ちえぬ恋も我れはするかも
3237: あをによし奈良山過ぎてもののふの宇治川渡り.......(長歌)