原文
為妹 吾玉拾 奥邊有 玉縁持来 奥津白浪
作者
不明
よみ
妹(いも)がため、我(わ)れ玉拾ふ、沖辺(おきへ)なる、玉寄せ持ち来(こ)、沖つ白波(しらなみ)
意味
妻のために私は玉を拾います。沖にある玉をこちらの岸に寄せて来てください、沖の白波(しらなみ)よ。
「玉」は真珠のことです。
補足
この歌の題詞には「崗本宮御宇天皇(おかもとのみやにあめのしたしろしめししすめらみこと:斉明天皇のこと)が紀伊國(きいのくに)に幸(いでま)す時の歌二首」とあります。
この歌の次の1666番歌の左注には「右、二首の作者は未(いま)だ詳(つまび)らかならず(:作者が不明)」とあります。