原文
三栗乃 中尓向有 曝井之 不絶将通 従所尓妻毛我
作者
高橋虫麻呂(たかはしのむしまろ)歌集より
よみ
よみ: 三栗(みつぐり)の、那賀(なか)に向へる、曝井(さらしゐ)の、絶えず通はむ、そこに妻もが
意味
意味: 那賀(なか)に向って、流れてゆく泉のように絶えることの無い様に通っていこう。そこに愛しい妻がいてくれたらもっといいのになぁ。
栗(くり)は、中に実が三つ入っています。そこで、「三栗(みつぐり)の」で「なか」を導いています。
補足
この歌の題詞には、「那賀郡(なかのこおり)の曝井(さらしゐ)の歌一首」とあります。那賀郡(なかのこおり)は、現在の茨城県水戸市付近にあたります。曝井(さらしゐ)は、布を洗いさらすのに使った井戸のことだそうです。