原文

此里者 継而霜哉置 夏野尓 吾見之草波 毛美知多里家利

作者

孝謙天皇(こうけんてんのう)

よみ

この里は 継ぎて霜(しも)や置く 夏(なつ)の野に 我が見し草は もみちたりけり

意味

撮影(2001.8.20) by きょう

この里は、いつも霜(しも)が降りるのでしょうか。夏(なつ)の野で私が見た草(澤蘭(さはあららぎ))は、色づいていました。

- rough meaning: Does frost always fall in this village? The grass(Sawa-Araragi) I saw in the summer field changed color.

補足

・この歌の題詞には、「孝謙天皇(こうけんてんのう)光明皇后(こうみょうこうごう)が揃って藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)の家にいらっしゃった時に、色づいた澤蘭(さはあららぎ)を一株抜き取って、内侍(ないじ)の佐々貴山君(ささきやまのきみ)に持たせて、藤原仲麻呂(ふじわらのなかまろ)と彼に付き添う大夫(たいふ)たちにお贈りになった歌」とあります。

更新日: 2020年05月03日(日)