万葉集 第一巻 : うつせみの命を惜しみ波に濡れ

2007年01月01日(月)更新


原文: 空蝉之 命乎惜美 浪尓所濕 伊良虞能嶋之 玉藻苅食

作者: 不明

よみ: うつせみの、命を惜しみ、波に濡(ぬ)れ、伊良虞(いらご)の島の、玉藻(たまも)刈(か)り食(は)む

意味: 命惜しさに、波に濡れながら、伊良虞(いらご)の島の藻をとって食べるのです・・・

麻続(をみの)の王(おほきみ)が伊良虞(いらご)の島に流された時、島の人がこれを哀しんで詠んだ歌を聞いて詠んだ歌ということです。

伊良湖 撮影(2005) by きょう

麻続(をみの)の王(おほきみ)が流されたとされる場所は、はっきりとは分かっていません。

  • 日本書紀: 天武4年(675)4月、罪を犯したので因幡(いなば)に配流される
  • 万葉集: 伊良虞の島に流される
  • 風土記: 常陸国行方(なめかた)郡板来(いたこ)に配流される

第一巻