原文
百傳 磐余池尓 鳴鴨乎 今日耳見哉 雲隠去牟
作者
よみ
百(もも)伝ふ 磐余(いわれ)の池に 鳴く鴨(かも)を 今日のみ見てや 雲(くも)隠(かく)りなむ
意味
磐余(いわれ)の池に鳴く鴨(かも)を見ることも今日までか。私は、もう死ななくてはならないのだ。
・「百(もも)伝ふ」は「磐余(いわれ)」を導く語です。
・謀反の疑いで自害させられる直前に詠んだ歌とされています。
- rough meaning: It is until today that I can see the crowing duck in the pond of Iware. I have to die anymore.(He was arrested on suspicion of planning a rebellion and was forced to commit suicid.)
補足
・この歌の題詞に「大津皇子、死を被(たまはり)し時、磐余の池の陂(つつみ:堤)にして涕(なみだ)を流して作らす歌一首」とあります。
・この歌の左注に「右藤原宮(ふじはらのみや)朱鳥(あけみとり)元年(西暦686年)冬十月」とあります。