原文
古尓 戀流鳥鴨 弓絃葉乃 三井能上従 鳴濟遊久
作者
弓削皇子(ゆげのみこ)
よみ
いにしへに、恋ふる鳥かも、弓絃葉(ゆづるは)の、御井(みい)の上より、鳴き渡り行く
意味
昔を偲んでいる鳥なのでしょうか、弓絃葉(ゆづるは)の御井(みい)の上を鳴き渡ってゆきます。
御井(みい)は、泉などをいいます。
補足
この歌の題詞には、「幸于吉野宮時弓削皇子贈与額田王歌一首」とあります。
弓削皇子(ゆげのみこ)が、額田王(ぬかたのおおきみ)に贈った歌です。この歌に答えて額田王が詠んだ歌が続いています。